ある程度ページ数がある企画書には、「はじめに」というページがついています。通常は目次の前に入れますが、これの重要性をあまり考えずに適当な文言を入れているだけの企画書をよく見かけます。要するに何を書いたらいいのかわからないんだろうと思うので、一度「はじめに」をしっかり考えてみようと思います。
「はじめに」のことを考える前に、そもそも企画書がどう評価をされるのかを調べてみましょう。公的なプロポーザル型公募であれば、評価のガイドラインというものがあります。たとえば福岡市のPFIガイドラインには、評価基準の詳細が掲載されています。
PFIというのは、Private Finance Initiativeの略で、要するにいろんな事業を民間に委託しましょうという考え方です。そして、プロポーザル型公募も、このPFIガイドラインの中に入っています。審査基準のガイドラインはこんな感じです。
一つの公募でこれらをすべて網羅することはありませんが、少なくともこのガイドラインを基準にして、福岡市の公募が行われています。これは他の都道府県、市町村でも同じことでしょう。通常は重要な点をピックアップして、採点基準にします。
ところで、リストの最後に社会性と先見性という項目があります。それより手前の項目は事業の実行そのものの質に関わるものですが、この2つの項目は事業そのものの実行能力というより、事業に対する考え方といえるものです。これを事業そのものに反映させるのはなかなか難しいため、どこかに文章として入れなければなりません。
もうお分かりですね。「はじめに」というのは、その事業に対してどう考えているのかを書いていくところなのです。
プロポーザル型公募の話をしましたが、新たに企画を立てるときもこれと同じことが言えます。コンセプトは1ページ使って書くものですが、その背景にあるものは「はじめに」に書くことになります。企画に関するトレンドや将来予測などを書いていく感じですね。
通常、「はじめに」は目次の前後に書きます。ページ数が少ないときは目次と一緒に書くこともありますが、とにかく最初に書くということには変わりません。逆に考えると、読み手が最初に見るのが「はじめに」です。必要性がないからと思って外す人もいますが、その企画に対してどう考えているのかをしっかり伝えるチャンスです。
「はじめに」は文章ばかりですが、企画書でそんな長文を書くことはほとんどありません。最初だから読んでもらえると思っても良いでしょう。
企画をするには必ず理由があります。その理由をしっかりと書くことで、社会性や先見性を読み手に伝えることができます。「はじめに」はその役割を果たすための重要なポイントとなります。
とはいえ、そう長い文章を書くわけにもいかないので、できるだけ短い文章で簡潔に書くことは重要です。
基本的には
1.現状分析
2.提案の目標
3.将来に対する抱負
4.挨拶(定型文)
このような流れで書くと自然になるでしょう。この中に企画内容を取り巻く現状をどう認識しているのか、そして、目指す将来像はどういうものなのかが伝えられれば、「はじめに」の役割は十分に果たしているといえるでしょう。
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