相場観というのはとても大事です。いくら自分たちが「この商品は特別なんだ」と言っても、実際に購入する側の人が高いと感じれば買うことはありません。とはいえ、予算的に製造ロットが限られる中小企業が安い商品を作るのはちょっと戦略としてお勧めできません。
大事なのは値ごろ感です。そんなに安くないけど、お試しで買えるギリギリの値段をつけることです。
たまに、「そんなに高くしなくていいんじゃないの?」という方がいらっしゃいますが、最初から安い値段をつけてしまうと、この値段を引き上げるのはとても大変です。逆に、安くするのは適当に理由でもつけておけば簡単にできます。
値段を高めに設定すると、どうしても良い原材料を使いたくなると思います。しかし、いくら値段を高めに設定しても、原価が上がってしまっては意味がありません。
商品開発のおおよその原価率は次のとおりです。
簡単に言うと、1000円の商品を作ろうと思ったら、原価は250円以内に抑えましょうということです。業界によっても違いますが、原価率は最大でも30%程度と考えておけば正解です。
自分は特に卸売も小売も考えていないという方がいらっしゃいますが、実際に中小企業の商品が流通に乗る可能性を考えると、自社販売をせざるを得ないという状況も十分にあります。
この場合、卸売と小売にかかる金額は広告費として出ていくことになります。広告費をかけずに販売するのは至難の業です。作ったのに売れないというのが最も避けたいところですから、初期投資として広告宣伝費を考えなければいけません。
そして、結局は誰かに販売してもらうことになるため、あらかじめ原価率を計算しておかないと、流通に乗らないということになってしまいます。
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