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プロポーザル公募のリスクマネジメントの書き方

最終更新日:2023年09月15日
リスク管理体制の書き方例

PPP/PFIのガイドラインには、リスク対応、リスク管理について、審査基準を次のように規定しています。

  • リスク管理体制
  • 事業の特性を踏まえたリスク分析
  • リスク最小化のための対策
  • 内容,性質に応じたリスク分担
  • リスクが顕在化した際の対応

そして、実際の公募案件に対してこの5項目を一括、もしくはそれぞれに点数を設定して評価基準にしています。

最近の公募関係を見ると、このリスクに関する事項の重要性が上がっているように思います。よくある取違いが、公募の要項に書いているリスクの内容をそのまま書くというパターンです。これではどうやってリスクに対応するのかが不明なため、ほぼ0点という評価になるでしょう。

大切なのは、「どうやってリスクに対応するのか」「どうやって未然に防ぐのか」「トラブルが起こったらどうするのか」の3点をしっかりと書くことです。

リスク管理体制

まず、一番に書くのはリスク管理体制です。書く内容は、クレーム等の窓口となるところ、トラブルの内容をチェックし、対応を考えるところ、委託者に連絡をするところ、記録をするところの5部署の関連性です。

リスク管理体制の書き方例

どこの部署が何をやるのかが明確であれば、同じところが複数の業務を行っても構いません。ポイントは、委託者との連絡窓口が1か所であることです。たとえばジョイントベンチャーで提案するときでも、問い合わせと委託者との連絡部署は1つにするべきでしょう。

リスクの事前対応

「事業の特性を踏まえたリスク分析」とは何でしょうか。事業によってリスクの内容はさまざまです。工事であれば事故や騒音など、イベントであれば感染リスクや参加者同士のトラブルなどが考えられます。そういうリスクを総称して「事業の特性を踏まえたリスク」と表現しています。

そのため、これは「あらかじめ想定できるリスク」と言い換えても良いかもしれません。

そうしたリスクに対してどう考えるのかを記載するのが「どうやって未然に防ぐのか」という点です。「気を付けます。」では間違いなくアウトでしょう。可能であれば、想定されるリスクをリスト化して、それをどう未然に防ぐかを書いていくべきです。

例えば「工事」の「騒音」であれば、「事前に近隣住民へのチラシ配布」という方法で事前に防ぐことが可能です。(それでもトラブルになる可能性は否定できませんが)

対応の中にはそんなこと仕様書にも書いているし、やって当たり前だと思われるものもあるかと思いますが、大事なのは「明記する」ということです。企画書を評価する側としては、書いていなければ対応するかどうか分からないので0点とつけるしかありません。明記することで初めて内容を評価することができるようになるのです。

リスクの分担

リスク分担の項目は委託者と受託者のリスク分担の話になります。仕様書などに書いている場合もありますが、書いていない場合は免責について書いておくことをおすすめします。実際に業務中に何らかのトラブルが発生して、余計な費用がかかることも少なくはないでしょう。

その場合、その都度官公庁と協議する場合もあれば、受託者が泣き寝入りする場合もあります。官公庁の予算は基本的に変更できませんから、よほどのことがなければ受託者が払うことになります。

それを事前に設定しておくのがリスク分担です。これは事前に予想されるリスクについての分担なので、事前のリスク対応と同じ形になります。

これを踏まえると、リスクには「事前に対応して、トラブルが起こったら受託者が責任を負うリスク」「事前に対応するけれど、トラブルが起こったら委託者が責任を負うリスク」「予想はできるが事前に対応できない、または誰も責任を負えないリスク」「事前に予想ができないリスク」の4種類が想定されることがわかります。

事前に予想できないリスクはその都度委託者と協議するしかありませんが、それ以外のリスクは事前に想定できるため、それに対してどうするかを明記することができます。実際の対応は委託者と協議することになると思いますが、それは注釈で「実際の対応は委託者と協議する」と書いておけば良いのです。

リスクについての考え方

実務にリスクはつきものです。しかし、実際に起こってしまったら、何らかの対応を迫られることになります。そのときどうするかを事前に書いておくのがリスク対応の項目です。

これは一度社内で決めてしまえば何度でも使いまわしができるので、できれば企画書を提出する前に体制を決めておくと良いでしょう。

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