企画書には、必ず目的があります。何をやりたいのかということです。とはいえ、単にやりたいことだけを書いても、誰も納得はしてくれないでしょう。企画書を書くときは、まずやりたいことの周辺を固めて、説得力を持たせることから始めます。
社外的な企画書を作るときに必ず最初にやることは、「なぜやりたいのか」をはっきりとさせることです。やりたいことというのはあくまでも手段であり、その背景には必ず目的が必要です。
たとえば、単に商品を販売したい、だけでは企画の背景になりません。その商品を販売することで、どんな結果を得たいのか。自分が儲けたいというだけでは、企画書は成立しません。もし、あなたが商品の魅力を分かっているなら、ニーズがある、顧客の悩みを解決できるなど、その商品を販売する理由は簡単に見つかるでしょう。これは、ものでなくても同じです。新しいサービスには必ず背景がついてきます。
企画の背景は、できるだけ深堀りをしておくべきです。特に、社会的背景は必須だと言って良いでしょう。反社会的な企画をする人はいないでしょうが、社会性に乏しい提案は、いったい誰が得をするのかが見えにくく、「要するにあなたが儲けたいだけでしょう?」という勘繰りさえ招いてしまう結果になります。
企画の基本は社会的な背景です。そして、それを考えるということは、多くの人の共感を得るステップになります。
企画や提案が採用されるためには、必ず共感が必要です。共感を得るにはどうすれば良いのか。そのキーになる4つのファクターを挙げると次のようになります。
この4点を踏まえると、企画は採用されやすくなります。どんな小さな商品でも一緒です。物でもサービスでも、とりあえず作って販売という時代ではありません。一つの商品・サービスを作るためには背景となるところをしっかりと構築しておく必要があります。
企画の社会性について、もう少し深く考えてみましょう。
あなたはお菓子メーカーの社員です。ある時、有名なキャラクターの版権を持っている会社に、お菓子の商品提案することになりました。要するに、キャラクターの版権を使ったお菓子を売りたいということですね。このとき、どんな企画を持っていくでしょうか。
当社のお菓子と御社のキャラクターを合わせることで、ヒット商品が生まれますよ、というのは企画として下策だと言えます。同じような企画を競合他社が持ってきたら、価格競争になりかねません。また、莫大なライセンス料を取られるかもしれません。
この時の企画としては、最低限、そのキャラクターでなければならない理由と、自社のお菓子でなければならない理由を作る必要があります。例えばそのキャラクターのターゲット層と重なる自社商品を用意し、その商品がターゲット層に望まれていることをアピールすることです。単においしいというだけでなく、対象が子どもであれば緑黄色野菜の栄養をおいしく摂ることができる、女性であれば低カロリーな食品としてニーズが高いなど、他社に比べて社会的な優位性をアピールすることができれば、大きなアドバンテージとなるでしょう。
必要なのは、コラボレーションをして儲けましょうという話を深堀りして、キャラクターの好感度が上がるようなシナジー効果や社会的な意義をアピールするということです。単に掛け合わせで儲けましょうという話は、キャラクターを利用して収益を上げるだけのモデルにしかなりませんが、同じターゲット層に、求められるものを提供しようという提案は、同じ目標を持つ共同プロジェクトという側面をアピールしていることが分かると思います。
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