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プロポーザル型の企画書の書き方

最終更新日:2024年08月06日
プロポーザル型の公募の企画書の書き方

プロポーザルというのは、提案するという意味の英語です。つまり、プロポーザル型公募というのは、提案型公募と言われるもので、金額だけの入札ではなく、提示された業務に対して何をするのかを競争するものです。そのため、金額だけでなく企画内容や社内体制などが考慮されます。

逆に言えば、条件さえ満たせば入札に参加できるので、会社の大小は関係なく、どんな会社でも競争に勝てる見込みがあるということです。まだプロポーザル型公募に参加したことがない企業も、できればチャレンジしてもらいたいと思います。

企画書を書く前に、まずはチェック

プロポーザル型公募に提出する企画書は、それほど難しいことではありません。応募の際に募集要綱や仕様書が添付されるので、まずはそれを見てみましょう。

公示内容のチェック

公示内容には、業務の目的と業務内容があります。まずはこの目的からチェックしていきます。なぜその業務を募集しているのか、その背景は何かなど、細部まで読み込んでください。目的が理解されていないと判断されると競争に勝てる見込みはまずありません。どこまで深く理解しているかが最初のポイントとなります。

ここは、普段から業界の情報をどの程度仕入れているかが試されますので、関連書籍や法令などを日ごろから調べておくべきでしょう。

目的の次は業務内容になります。通常は番号が振られて、それぞれに細かな指示があります。これが通常こなすべき業務内容です。これはすべて網羅しておかなければなりません。企画書の中に抜けがないように注意してください。

ここまでが企画の骨子として把握しておく内容になります。

業務内容の具体化

業務内容を確認したら、具体的な内容を検討します。ウェブサイトを作るのであれば、どこの会社がどのサーバーでどんなタイトルのウェブサイトを作るのか、その内容はどうなるのか。内容はレイアウトだけでなく、入れる内容もある程度作りこんでおくべきでしょう。競合他社はほとんど作りこんできていると考えるべきです。

アンケート調査であれば、アンケートの項目はもちろんすべて埋めておく必要があります。そして、アンケートの取り方、標本数も目標値を設定しておきます。用紙見本は必要ありませんが、何を聞くのかははっきりさせておくべきです。

イベントであれば会場、テーブルや椅子の配置、設置数などを明記しておきます。また、タイムスケジュールも細かく設定しておきます。

ある程度期間のある事業であれば、事業主体と密に連絡を取る必要があるため、そのスケジュールや連絡体制を作っておくことも重要です。おおむね1か月に1回程度の報告が義務となりますが、できれば常に連絡を取れるような形をとっておくべきでしょう。

企画書の内容

企画書の内容は、「その企画書を見ながら業務を進めることができるかどうか」という基準で見ていくと分かりやすいでしょう。必要な情報はすべて入れるという前提で書いていくことが重要です。

企画書に入れる内容は次の通りです。

  • はじめに
  • 目次
  • 目的と業務内容
  • 実施項目一覧
  • 各項目の詳細
  • 追加提案
  • スケジュール
  • 実施体制
  • 会社概要

「はじめに」は先の記事で書いた通りです。企画の目的を理解しているというアピールを書きます。目次は最後に書きます。10ページを切るような短い企画書であれば目次は必要ないかもしれませんが、通常は入れておくべきです。内容があまりなく、空白が多くなるようでしたら、はじめにと合わせても良いでしょう。

目的と業務内容は公示内容をそのまま写してしまって構いません。これが企画の骨子になるので、一句一字間違えないように写します。

そして、実施項目一覧からが本格的に入れていく内容になります。

実施項目は、業務内容の番号とリンクしたほうが良いでしょう。順番も、業務的な時系列よりも業務内容の項目に合わせた方が、実務上楽になります。一覧には簡単なコメントを入れておくと、おおむね業務の流れがつかめて便利です。

各項目の詳細は、事前に決めておいた具体案をすべて書きます。ページ数の規定がある場合もありますが、本当にページ数を規定内にしなければならないかはあらかじめ質問しておいてください。規定がない場合はできるだけ細かく書いていきます。

追加提案は、項目の詳細を書いた後に1ページ別に設けて書いた方がアピールになります。この部分は実施内容とも関連づいている必要がありますが、業務の目的に沿っているかどうかが重要なポイントになります。意味のない追加要素は、単なる予算の無駄になるため、目的にちゃんと合致しているかどうかを精査してください。

スケジュールは1か月単位くらいで記載します。できれば1か月ほど余裕を持たせたスケジュールにしておくことで、業務が遅れても取り返しがつきます。だいたいの業務は、実施中に追加要素が出てくるのが常です。

残りは実施体制と会社概要だけです。実施体制は担当者の名前、経歴も入れておいてください。会社概要は実務経験を記載しておきます。実務経験については別途提出の必要があるのでここに書かないケースがありますが、事業に取り組む際はこの企画書がすべてのベースになるので、入れておくべき情報はすべて入れるという前提で考え、別途提出している情報でも記載しておいてください。

プレゼンテーションの前に

プロポーザル型公募では、企画書提出後にプレゼンテーションを行う場合があります。時間は10分から30分程度とまちまちですが、時間が短い場合は説明のポイントを絞る必要があります。できれば追加提案に時間を割きたいところなので、事前に実施内容の説明をどこまで短くできるかシミュレートしておくべきでしょう。

具体的に話す内容は、目的の確認、事業の内容、実施項目の確認、実施内容の説明、追加提案の説明という順になります。最後には、口頭で事業の将来性について一言触れても良いでしょう。将来を見据えた提案であることをアピールすることができます。

 

ここまでの内容をしっかりと企画書に落とし込むことができれば、競合他社に勝てる見込みは十分にあります。もちろん実務経験や確実性などといった要素も判断対象になるため、企画書ですべてが決まるわけではありませんが、それでも十分勝負になります。

(2024.8.6追記)勝てない。分からないとお悩みなら

2020年頃から、初めて公募に挑戦したいという企業様が増えてきました。何度もお手伝いをさせていただいていますが、現状でいうと、初めて挑戦した公募で、自力で勝てる企業はおそらくほとんど存在しないと思われます。競合が増え、提案内容の質が上がったことが原因だと考えられます。

何度か挑戦して採用されていない場合、「どうして採用されないんだろう」と考えるのは無駄でしかありません。他の企業はそれだけスキルを身に着けているか、外部に委託しているから戦えるという単純な話です。

公募期間は最短2週間ですが、その時間をかけて企画書を書いても、採用に至らない上に原因も不明ならただの時間の無駄でしかありません。この記事は2019年に書かれたものですが、当時は基本的なノウハウでそれなりの戦いができていましたが、現在はさらに押さえるべきポイントが増えています。

実はこの記事がよく読まれているようで、ずっとアクセスが続いています。記事がお役に立つのはありがたい話なのですが、これだけを踏まえても、今は勝ちにくいということを追記しておきます。

本当に公募に勝ちたいと思われるなら、ぜひ一度ご相談ください。

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