多くの地域の関係者と協力し、地域の資源をブランド化から販売までをプロデュースしている組織のことを指します。資源は農作物や工芸品などで、地域内だけではなく地域外にも販売しています。
地域商社は地域商社ネットワーク会員に加入している不特定多数の会社や、観光などのまちづくりを指します。
地方創生交付金で支援を行っている地域商社の多くは小さな道の駅です。そのため後継者不足はもちろんですが、そのほかにマーケティングや商品開発も進んでいないことも課題として上げられます。
地域商社を立ち上げるためには地方創生給付金や銀行の出資制限の緩和などをし、資金を集めることも必要です。
2021年8月時点で地域商社は全国で93件確認できています。その中で地方銀行の事例が多いことがわかります。地方銀行が活性化することにより地域商社の取り組みが円滑に進めることができます。
「道の駅うきは」は福岡県うきは市にある道の駅です。うきはの里株式会社が経営しており、道の駅を用いて地域活性化を目指しています。国土交通省に重点「道の駅」として選定されています。「うきは地域総合商社」事業を進めるため地元の筑邦銀行や都市計画策定を手がけるランドブレイン(東京都千代田区)などと連携しうきは市の稼ぐ力を養っています。
「うきはこ」は道の駅に隣接している建物で、情報交流拠点です。うきは市に来た観光客が市内を楽しく回るための仕組みや市内農業者の事務所として設置されています。
地域商社で必要なことは地域の商品やサービスを通じて地域を活性化させていくことです。地域内外を問わず人手やお金を呼び込むことで地域がよりよく循環します。
生産者と地域商社が協力して地域の資源をブランド化しています。その成功事例として黒川温泉があげられます。
黒川温泉は2002年に「街づくり協定」を締結しました。「街づくり協定」は黒川温泉自治会が主体となり景観形成のルールを地域住民と作成したものです。基本理念は「黒川らしさ」を守り・創り・育てることであり、黒川の自然を守り、優しさにあふれている街を育てていくことを目指しています。
黒川温泉の一番の特徴は景観です。街づくり協定により景観も統一されています。最終的に自然に帰ることのできる素材である木材を基調とし、建物の色も黒色で統一されています。建物や雰囲気を統一化することによって黒川温泉のアイデンティティが生まれ、ブランド化につなげることもできます。黒川温泉の旅館では水質を守るために石鹸やシャンプーの持ち込みを禁止しています。
また、黒川温泉は全国の温泉のうちの1,2位の人気を争っています。その理由は露天風呂です。1回500円で日帰りのお客さんはどの温泉でも入浴が可能ですが、1200円の入浴手形を購入すると3か所の露天風呂に入浴することができるシールが3枚貼っています。通常より300円お得に温泉を楽しめるためとても人気があります。1986年から通算250万枚売り上げています。
生産者と地域商社のそれぞれの役割が明確なことがメリットであると考えます。
生産者は商品を作り、地域商社はその商品を多く売るためのブランド化や知名度の向上のために行動します。
商品をより多く販売するために地域商社がマーケティングのみを行い、生産者は生産のみに集中できるところがメリットです。
地域商社は地域にもともとある名産品や工芸品を資源として町おこしをすることです。地域内だけではなく地域外の人や会社を巻き込んでいるところが地域商社の特徴です。ものを売る以外にも町全体をブランド化したり、施設を作ったりなどといった様々な取り組みをしていることがわかります。地域商社を通じて地域の知名度が上がり、観光客や収益が増えるだけではなく、地域に住んでいる人も文化やいいところを再発見できます。
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